

名湯を、心ゆくまで…。
いわき湯本温泉の開湯は遙か奈良時代、今からおよそ1200年以上前。「三箱(さはこ)の御湯」と呼ばれ「伊豫国道後温泉」「摂津国有馬温泉」とともに日本の三古泉として名がとどろき、今のように”湯本“と呼ばれるようになったのは鎌倉時代以降のことだという。その昔、蝦夷の流れ矢に負傷した一羽の鶴が温泉で傷を癒やしていたことに端を発する伝説が今でもこの地に残り、「さはこ」の名称や「鶴の伝説」が、日帰り入浴施設「さはこの湯」や足湯「鶴のあし湯」に受け継がれている。
温泉を楽しむうえでは、歴史と同じくらい泉質が大切な要素。「含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉」は全国でも珍しく、世界でも屈指の毎分約5tもの湧出量を誇る。保温効果がとても高く「美肌の湯」としても人気だ。
また、温泉地として歴史が古いこともあり「さはこの湯」や「鶴のあし湯」のほかにも温泉にまつわる施設は数々。温泉街の中心から少し北へ。磐城七社の一つ「温泉神社」が鎮座し、今も静かに小高き丘の上からいわき湯本の温泉街を見守りつづけている。さらに世界でも珍しいと言われている「馬の温泉」。正式名称は「日本中央競馬会競走馬総合研究所常磐支所」と言い、競走馬の保養機関として温泉療法を施しており、誰もが知るあの名馬も訪れたことがある。
知って、巡って、浸って…。いわき湯本温泉ならではの湯の魅力が、そこにある。
※一般的には古来の地名として「佐波古(さはこ)」と称し、927年延喜式神名帳の「陸奥國磐城群温泉神社」が選上された時から「三箱」の地名になっており、現在は「三凾」「三函」の文字が使われています。

- みゆきの湯
- JR常磐線湯本駅近くにある日帰り入浴施設。男女の浴室には常温(約42℃)と高温(約44℃)の2つの浴槽があるほか、介護浴室(要予約)もあります。

- 野口雨情記念 湯本温泉 童謡館
- 茨城県出身の童謡・民謡詩人、野口雨情氏の記念館。「赤い靴」「七つの子」などの代表作を残した氏の遺品や遺墨が展示されています。

- 馬の温泉
- いわき湯本の温泉を活用した、競走馬のための療養施設。一般の方の見学も可能です(リハビリ時間が決まっています。予めご確認ください)。

- 鶴の足湯
- JR常磐線湯本駅から徒歩で約7分の場所にある足湯。2種類の足湯と手湯を備えているほか、ペット用の足湯も備えています。

- さはこの湯
- 純和風の外観が特長の日帰り入浴施設。岩風呂と檜風呂(男女1日交代制)があり、いわき湯本の温泉をとてもリーズナブルに楽しめます。

- 温泉神社
- JR常磐線湯本駅から徒歩で約10分の所にある古社。いわき湯本温泉のシンボル的な存在で、毎年5月3日の大祭には多くの人々が訪れます。

- レトロの街並み
- 温泉通り近くにある明治30年代に建てられたという芝居小屋「三凾座(※)」をはじめ、上町通り近くの「寺亀醸造元」や「煉瓦煙突」など、いわき湯本温泉のあちらこちらに、レトロな建物が点在。レトロ街並み散策もおすすめです。(※三凾座は、東日本大震災で被害を受け2013年6月に解体されました。)

- 愛湯物語
- JR常磐線湯本駅前にある東屋付きの足湯。旅の疲れは、まず足下からゆっくり癒やすのがいちばん。旅の行きに帰りにお楽しみください。
いわき湯本温泉の泉質・効能
[泉質]
- 源泉名/いわき湯本温泉 湯本温泉源泉
- 湧出地/福島県いわき市常磐湯本町台山20番1
- 泉質/含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉
(低張性弱アルカリ性高温泉)
(略記泉質名:含S-Na-Cl・SO4温泉)
(掲示用泉質名:硫黄温泉)
- 源泉温度/59.0℃(気温17.0℃)
- 外観/無色透明・無味
- 臭味/硫化水素臭
- 湧出量/1分間4750リットル
- 水素イオン濃度/(PH)8.1
- 分析機関/福島県衛生公害研究所
- 分析申請者/常磐湯本温泉株式会社
[効能]
- 泉質別浴用適応症/慢性皮膚病・慢性婦人病・切り傷・糖尿病・虚弱児童・動脈硬化症・高血圧 症など
- 一般的浴用適応症/神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・打ち身・痔病・慢性消化器症・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進など
- 泉質別浴用禁忌症/高齢者の皮膚乾燥症・皮膚、粘膜の過敏な人・光線過敏症の人
- 一般的浴用禁忌症/急性疾患(特に熱のある場合)・活動性の結核・悪性腫瘍・重い心臓病・呼吸不全・妊娠中(特に初期と末期)は原則として禁忌すること